太陽熱利用
太陽エネルギーによる熱利用は、古くは太陽光を室内に取り入れることから始まっていますが、太陽熱を集め温水を作る温水器とソーラーウォールと呼ばれる米国エネルギー省が絶賛したといわれている太陽熱集熱器があります。
太陽熱温水器
太陽熱温水器は、太陽熱により温水を作るもので技術開発により、自然循環形、さらに高性能な強制循環形のソーラーシステムが開発され、用途も給湯に加え暖房や冷房にまで広がっています。 太陽熱利用機器は、エネルギー変換効率が高く、新エネルギーの中でも設備費用が比較的安価で費用対効果の面でも有効であり、機器の性能や耐久性等は世界的にも高水準にあります。日本の気候、風土に合ったシステムで古くから民家の屋根にのっているのを見てきています。ペットボトルを活用した手作りのもの、真空管利用のハイテクのものまであります。
一般的には太陽熱温水器で温水を作り、床暖房などを通じて家庭の暖房やお風呂、キッチンに利用します。貯湯タンク、深夜電力など接続すると気まぐれな太陽が微笑まない日も使うことができます。
家庭のCO2の3分の1は給湯で排出されることを考えると有効な手段です。
アメリカのシカゴ大学、ウィンストン博士によって提案された「複合パラポラ反射板CPC」で、従来取り逃がしていた熱を4倍も集熱し冬場や寒冷地でも熱水が獲得できる新式のものもあります。商品名は「ソーラーMAX」といい、イースタン技研という会社が製造しています。
給湯システム概要図
太陽熱利用という単純な理論と技術で比較的簡単に温水器は製作できそうです。キット式とか組み立て式とか日曜大工程度でできたり、部品が簡単に調達できればいいですね。
太陽熱集熱器
これは単純に太陽熱を利用し太陽熱で暖めた空気を取り込み、暖房しながら換気もできる。カナダ自然エネルギー技術省が「自然資源技術転換賞」を贈り、絶賛したエコ技術の傑作です。
このソーラーウォールはカナダのコンパール社が開発した太陽熱集熱板でソーラーウォールは黒く塗った多孔製アルミ板(0.8mm)で出来ています。熱吸収パネルは縦方向に凹凸ががあり、多くの小孔が開いています。黒く塗っているのは言うまでもなく効率よく太陽熱を集めるためです。
簡単なメカニズムで太陽熱が吸収されるとパネルは高温になり、すると内部で上昇気流が発生し、外気は空気通過孔から吸収され、加熱されます。 吸収された外気は熱気流として上昇します。上部にはファンが回転し屋内の配気用ダクトから温風が室内に供給されます。冬場は、この温風が直接、暖房の熱源となります。 ビルや住宅にすぐにでも設置可能。試算では10平米の面積に設置すると、その集熱効果で年間10万~14万円もの節約になるという。
既に米国、カナダ、東南アジアでも採用され、その性能が絶賛されています。日本でも、この装置は文教施設協会の「優良学校施設部品」推奨品として認定されています。