3R(スリーアール)とは、Reduce、Reuse、Recycleの頭文字をとった言葉で、環境と経済が両立した循環型社会を形成していくためのキーワードです。
- Reduce(リデュース)……廃棄物の発生抑制
- Reuse(リユース)……… 再使用
- Recycle(リサイクル)……再資源化
の優先順位で廃棄物の削減に努めるのがよい という考え方を示している。
“R”を頭文字とする他の言葉、Refuse(リフューズ:拒否)、Repair(リペア:直す)などを加えて4Rや5Rと呼ぶ場合もあるが、それらの言葉はすべて3Rのいずれかに含まれるため、また3R以外のRが加わることで、3Rにおける優先順位の理念が伝わりにくくなるという批判もある。しかし消費者にできる行動をよく表していると、採用する市民団体も多い。
日本では2000年に循環型社会形成推進基本法において3Rの考え方が導入され、(1)リデュース (2)リユース (3)リサイクル (4)熱回収(サーマルリサイクル) (5)適正処分の優先順位で廃棄物処理およびリサイクルが行われるべきであると定めた。
2001年4月に施行された資源有効利用促進法は、3Rの取り組みを総合的に推進するための法律であり、とくに事業者に対して3Rの取り組みが必要となる業種や製品を政令で指定し、自主的に取り組むべき具体的な内容を省令で定めることとしている。10業種・69品目が指定され、製品の製造・設計における3R対策や配慮、分別回収のための識別表示、事業者による自主回収・リサイクルシステムの構築などが定められている。
Reduce(リデュース)
Reduce(リデュース:廃棄物の発生抑制)省資源化や長寿命化といった取組みを通じて製品の製造、流通、使用などに係る資源利用効率を高め、廃棄物とならざるを得ない形での資源の利用を極力少なくする。
Reuse(リユース)
Reuse(リユース:再使用) 一度使用して不要になったものをそのままの形でもう一度使うこと。 具体的には、不要になったがまだ使えるものを他者に譲ったり売ったりして再び使う場合や、生産者や販売者が使用済み製品、部品、容器などを回収して修理したり洗浄してから、再び製品や部品、容器などとして使う場合があります。
アメリカのボールダーでは、家を改築する時、解体作業時に出る廃材の65%以上を再利用もしくは再生利用に役立てなければならない規則があります。
NPOが運営のResource Center(資材再利用・再生利用センター)などへ不要なものを寄付して再利用に協力しています。そのリソースセンターでは、タイルなどの小さなものからドアー、ベッドなど様々なものがきちんと分類して陳列され、購入しやすくなっていて、資材の再利用に役立っています。
Recycle(リサイクル)
Recycle(リサイクル:再資源化) いらなくなったものを“捨ててしまう”のではなく、分類して集め“再利用する”ことです。一般的になじみが深いのは、新聞紙・牛乳パック・PETボトル・空缶・ボロ布などのリサイクルです。
一旦使用された製品や製品の製造に伴い発生した副産物を回収し、原材料としての利用(マテリアルリサイクル)または焼却熱のエネルギーとしての利用(サーマルリサイクル)を図る。リサイクルにも2種類あります。
「サーマルリサイクル」とは、 廃棄物を単に焼却処理するだけではなく、焼却の際に発生するエネルギーを回収・利用すること。廃棄物の焼却熱は、回収した廃棄物を選別した後の残渣処理にも使われる。サーマルリカバリーと呼ばれることもあります。
代表的な手法に、ごみ発電やエコセメント化があるが、温水などの熱源や冷房用のエネルギーとして利用することも多い。日本語では熱回収といい、廃棄物の発生抑制とリユースを行い、マテリアルリサイクルを繰り返し行った後のリサイクル手法として、「循環型社会形成推進基本法」や家電リサイクル法などで位置づけられています。
「マテリアルリサイクル」とは、 廃棄物を原料として再利用することです。具体的には、使用済み製品や生産工程から出るごみなどを回収し、利用しやすいように処理して、新しい製品の材料もしくは原料として使うことをさします。
日本では古くから紙のリサイクルが行われているが、ほかにもぼろ布、アルミ缶、スチール缶、ガラス、蛍光灯電池類、ペットボトル、タイヤ、食用油などがリサイクルされている。