バイオマス総合展2007 
 
〜環境保全と循環型社会の形成〜 

NPOローハスクラブでは、
10月24日〜26日に東京ビッグサイトで行われた
「バイオマス総合展2007」の
NPO, NGO交流コーナーに展示パネル及び映像を用い、展示テーマである昆虫(イエバエ)によるズーコンポストの研究と成果の発表を行った。

「バイオマス(Biomass)」とは生物資源(Bio)の量(Mass)を表す概念で「再生可能な生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの」と定義されている。

森や農業によって作り出された物質を化石燃料に変わるエネルギーとして利用し循環型の持続可能な社会を作っていこうというものである。


今話題のバイオエタノール燃料、バイオジーゼル燃料を中心に、バイオガス発電、バイオプラスティックなどがバイオマスのコンテンツである。

NPOローハスクラブでは、昆虫(イエバエ)を利用して畜ふんを分解し、有機肥料と飼料を創り出すズーコンポストについての研究成果の発表を行った。

幼虫(ウジ虫)が畜ふんを分解していく様子をビデオ映像で紹介し、有機肥料のサンプルの配付を行った。


微生物を使った処理方法が一般的な中で、
昆虫を使った処理方法は珍しいので
興味を惹いたこと、
廃棄物が資源に変わる様が、有機肥料(ムスカ)の大量展示やサンプル配付、
飼料のサンプルで実感できたことが、
参観者の興味を得て、とても人気のある参観者の多いブースになった。



「バイオマス活用で持続可能な社会を」というビジョンであるが、この展示会の出展社をみると、まだまだ技術的成熟度も、参加企業の規模も創世期の感を否めない。


バイオマス燃料、木質燃料、蓄ふん処理、廃棄物処理などであったが、バイオマスタウンを300カ所を国内に作っていく政策もあって企業は熱心なのだが、地域をバイオマスタウンとして住民に意識させ、合意を得ていくには、住民が身近にバイオマスを実践体験し、実践によるメリットも生まれ、地球温暖化に貢献したということで、CO2の削減量に応じ排出権を企業に売れるというような具体的なわかりやすい結果がないと理解を得ていくことが時間が掛かると思われる。


現実的には化石燃料のエネルギーの15%程度をバイオマスで賄っていけるという試算があり、普及すれば、自然エネルギー(水力、風力、太陽光など)を35%程度活用すれば、化石燃料の使用は半減する。農村は石油に頼らず生活していける基盤がバイオマスの普及によって確保されることになるのである。
バイオマスは未来を感じさせる技術であり、知恵を集積し取り組む必要を感じさせる展示会であった。