タスマニア生活記  オーストラリアのタスマニアで、LOHASでエコロジーな生活をされているLuckeyさん(ニックネーム)からのお便りを掲載しています。

『藁の家の建設、途中経過報告』

久しぶりの更新です。

昨年から始めた、藁の家、ストローベイルハウスの建設。
建設許可が下りるまで、ものすご〜く時間がかかり、やっと建設に取り掛かれるようになったかと思った頃には、2回目の冬がやってきて、雨やら雪やらでなかなか進まなかったのですが、一旦、屋根がついてしまうと、そこからは結構順調に進んでいます。

この家は、私が設計しました。
そして、夫がそれを元に、手を加えて建設を進めています。
設計に当たっては、風水も取り入れて、ちょっと私なりのこだわりを入れています。

詳しくは、別の機会にご紹介しようと思っていますが、実はこの家、ストローベイルハウスといっても、完全な・・・ではありません。

2階部分は、骨組みにかかる重さを減らすためにトタンを使用しています。その代わり、充分な断熱材を使用しています。1階から階段を通じて上がってくる温かい空気を有効活用するためです。




今まで住む所には無頓着だった私ですが、こうやって手をかけて、少しずつ仕上がっていく家を見ていると、愛着が湧いてきますね。

今日から、内壁に泥を塗り始めました。


次回は、その様子をご紹介したいと思います。





『仮設トイレ』

難関続きのストローベイルハウス建設開始も間近・・・と期待して、夫が仮設トイレを建てました。

既に建てた倉庫は、木材で建物の枠組みをたてた後に、藁に泥をつなぎ程度に混ぜたものを壁にしたものですが、
今回は、『コブハウス』です。

「コブ」とは、団子の意味。

泥や粘土がメインで、そこに細かくした藁を混ぜたものを団子に丸めて重ねていきます。枠組みを使っている建物もありますが、円形にすることで安定性が増すので、枠はなしで、ひたすらに泥団子を重ねていきました。


屋根には、ゴミ捨て場から拾ってきた車の屋根に取り付けるカールーフラックを埋め込み、光を通すように、その上に同じく拾い物の半透明のシートを取り付けました。

さて、経費は、いくらかかったでしょうか?

土は、我が家の土地から。
藁は、倉庫作りをしたときの余り物。
ルーフラックもシートも拾い物。
壁の中央に埋め込んだ窓ガラス代わりの、ガラス製の電灯の丸い笠を2つ、ゴミ捨て場で買いました。お値段は、2つで$2。
ドア替わりのカーテンは、チャリティのお店で$5で購入しました。

う〜〜ん、なんて安上がりな建物なんでしょう!

トイレは、もちろん「コンポースティングトイレ」
製材所で出る木屑を使用します。
用を足したら、この木屑を上にかけるだけ。水は一滴も必要ありません。臭いも全くしません。
バケツ一杯に溜まったら、「コンポースビン」と呼ばれる、四方を囲っただけの枠組みの中に溜めていき、1年分溜まったら放置。更に1年後には、堆肥として使えるようになります。

コンポースビンには、キッチンからでる生ゴミも混ぜます。こうすることで、発酵が早まり、よい堆肥が出来るそうです。

この仮設トイレ、家が完成した暁には、倉庫になる予定です。
なんですが、なんと、これを建てていた時に家の建設デザインにおいて、問題が発生!その時に、この仮設トイレが、一役買ってくれました。

それについては、また別に書きます。


それにしても最後の写真、かわいくないですか?

まるで、2つの顔のモニュメントって感じでしょ。

あの土地へ行くたびに、思わず微笑んでしまいます。





『タスマニア』って、どんなイメージでしょうか?

オーストラリアの南端に位置して、島の全面積の50%が森林、40%が国立公園や保護地区で、25%が世界遺産に指定を受けた原生地域です。旅行会社の謳い文句では、「世界で一番空気と水が綺麗なところ」ともされています。


どれだけ空気が綺麗かというと、「タスマニアの雨水」がボトルに詰められて売られているほどです。なんでも、カンタス航空のファーストクラスとビジネスクラスでは、雨水が出されていて、エコノミークラスではミネラルウォーターだそうです。もちろん、大地からの湧き水も「スプリングウォーター」として売られています。
澄んだ海からは、オーストラリアで最高級と絶賛される魚介類が獲れます。
オージービーフの中でも最高級品質として輸出されているものも、タスマニア産です。

私達はこちらに引っ越してきて、1年が過ぎました。
自然のすばらしさ、食べ物のおいしさ、これは本当に実感しています。
でも、こんな評価とはまた違うものも見てきました。
そして、昨晩のTVでのニュースでは・・・

『タスマニア州は、オーストラリアの中で最も不健康な州』というものでした。

その評価を受けたのは、ここに住む人々。疾病率、肥満率、喫煙率が、オーストラリア国内トップなんです。

え〜〜〜!って、感じでしょうか? でも、住んでみると「そうかもね」と思えますよ。
それにしても、世界的にも肥満国として有名な国の中で、もっとも太っちょさんがたくさんいる州・・・なんて。
でもって、喫煙者がいっぱいいて、、そりゃぁ、疾病率もあがりますよね。
それに追い討ちをかけるこのデータ。
『タスマニア州は、国内で最も進学率が低い州』

タスマニアは、日本で言う幼稚園年長さんから高校1年生までが義務教育です。
年長さんをプレップと呼び、小学一年が Year1、高校一年が Year10です。その後に、カレッジと呼ばれる Year11&12があるのですが、そのカレッジへの進学率が、48%なんです。

あぁ、でもきっと自然を愛す心優しい人たちが多いに違いない。

そう思いたいですよね。
「そうではない」とは言えませんが、タスマニアの人々が選んだ州政府は、自然よりも事業派です。
何年か前に、森林を切り開きダムを建設しようとしたことがありました。
その時には、プロテスタントの方々が、座り込みの反対運動をしたおかげで取り下げとなりました。
未だにその案は消え去ってはいないようで、本土の国政府が歯止めをかけているそうです。車を走らせれば、必ずといっていいほど目にする巨大な材木を運ぶトラック。旅行へ出かければ、丸裸にされ、枯れ果てた大地を見かけることも珍しくありません。

でも私達は、ここが気に入っています。
(あ・・・私はいつでもどこでも気に入ってしまうのですが)
だからこれからも、ここで暮らしていきます。
そして、この先タスマニアが、どこへ向かうのか、しっかり見ていきたいと思っています。





 隣のオアシス

よく娘と二人で散歩をしているのを見ていらしたお隣さんが、声をかけてくれました。
「もし良かったら、私達の土地を歩きませんか?」

お隣さんの土地は20エーカーあり、道路沿いに家が建っていて、その後ろに山が聳え立っています。家のすぐ後ろは青々とした芝が広がっていて、馬を1頭放しています。そこを少し上がると散策が出来るようになって、歩けるように道も出来ているとのこと。

お隣さんの奥さん、バーバラさんは、自然をとても愛している方です。

役所が、家の前に大きな配水管を埋め込むことにもずっと反対しています。なぜなら、それをするにはバーバラさんの家の横も少し掘らなければならないからです。それをしてしまうと、毎年たくさんのカエルが繁殖する水場を壊してしまうことになります。

そして私がつくづく感心したのは、5年前にその家に引っ越されてきてからすぐに、湧き水をひいていた管をはずしたことです。

特に私は、雨水だけを生活水として7年間も暮らしていたので、水を確保することがどれほど大変か、ということを身にしてみて知っているのですが、せっかく自分の土地で湧き水が出ていて、いつでも好きなだけ無料で水が使えるというのに、それをしないなんて驚きでした。

隣に住んでいる私達が借りているコテージでも、大家さんは、それをボトルに詰めて商売をしているほど、たっぷり湧き水が出るので、私達のコテージでは、生活水は全て湧き水なのです。

バーバラさんに、理由をお聞きしました。
「山の上の方から水を引いてしまうと、そこから下に向かって、本来なら供給されるはずの水が少なくなってしまうでしょう?自然は、無駄なく出来ているんですよ。つまり、湧き出る水も全て自然にとって必要なんです。私達だって、自然が必要としているだろう雨水を溜めて使ってしまっています。だから、せめて湧き水は自然のままにしたいのです。山のために、生き物たちのために」

そして私と娘は、早速、その山を散策させて頂きました。写真でどれほど伝わるでしょうか?

交通量の多い、いつもの道路脇を歩くのとは雲泥の差です。静かで、鳥の声と木のささやきに包まれ、苔のジュータンは柔らかく足に優しく、空気がふんわり私達を抱きしめてくれます。小さな頃から、森の中にいるのが好きでした。
『木や草は、私を守ってくれる』そんな感覚に包まれるのです。
オーストラリアに来てからというもの、ファーマーに荒らされたブッシュに生える木々には、そんな力を感じずにいました。
でも、あの山の植物たちには、その力があります。
バーバラさんご夫妻の愛に、答えるかのように。

残念なことに、バーバラさんは、先月、事情があって、あの家を売りに出され、一昨日売れました。
今朝、また山を散策し、降りてきたときにちょうど会えたのですが、これから引越し先を探すそうで、「自然の力が、私達を導いてくれるでしょう」と仰っていました。そして、「次に引っ越されてくる方は、農場育ちの若いご夫婦なんです。出来ることなら、牛をこの中に放さないで欲しいのだけれど・・・牛達は自然を破壊してしまいますから・・・でも、もう私には口出しは出来ません」と少し淋しそうでもありました。

契約上、来年(2008年)の1月中頃まで、お隣はバーバラさんのものだということなので、それまで、私と娘のオアシスとして歩かせて頂こうと思っています。





 いちご狩り

我が家から1.2キロの近くのファームで『いちご狩り』のサインを見たと言うので、娘と行ってみました。

そのファーム、「ピースヘブンファーム」という、なんとも温和な名前なのですが、実は、今まで一度も誰かが働いているのを見たことがなかったのです。

毎朝、娘を幼稚園へ連れて行くときも、帰りも、昼間も、休日も、です。

名前からして、神様がやってるのかしら???とも思えるようなところでした。

そんなところなので、時々、娘と散歩に行ったりして、勝手に置いてあるブランコに乗ったりして・・・。

でもちゃんと、人がいましたよ。
歩いてきた私達に、ちょっと驚きながらも愛想よく、苺を入れるバケツをくれました。

教えてくれた所へ行くと・・・「?」どこに苺はあるの? 
雑草が生え放題で、黄色い花まで咲いていて・・・でも、草を分けてみると、、、ありました!苺です!!

ここの苺、オーガニックなんですよ。

あぁ、なんてステキ!
私、子供の頃から苺が大好きなんです。
中学生の時に初めて自分で買ったハンドクリームも、苺の香りものでした。

今日からクリスマスの頃まで、毎日やっているそうです。

「もし、私がいなかったら、今日渡した入れ物にいっぱいまで入れて1kgだから、それを目安にポストにお金を入れておいてくれてもいいし、次の時に払ってくれても良いよ」だなんて、ご近所のよしみですね〜。
オーガニック苺が、自分で選んで好きなだけ摘めて、1kg $6(約600円)なら悪くないのではないでしょうか?

オーストラリアに来てからおいしい苺に出会えずにいましたが、今日のは、「今までのはナンだったんだ?」というほど、おいしかったです。
クリスマスの頃からは、オーガニックのラズベリーが同じお値段で摘めるそうです。


これは、やばいです。。。通い詰めそうです。

物の中で、最も農薬などの汚染度の高いものは苺だそうです。

苺は農薬などを、土壌から実の中へと吸い込んでしまうので、洗っても効果はないし、皮も剥けないので、出来るだけ「オーガニックもの」を選びたいものだと思っていたのです。そうしたら、こんなに近くで手に入るなんて、うれしい限りです。

ちなみに、野菜の中で汚染度の一番高いものは、人参です。「トキシンモップ」と呼ばれるほど、土中の毒物を吸う特性を持っています。






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