LOHASブログ


 超エコロジーな電気自動車に注目

元プロラリードライバー 高岡祥郎さん

地球温暖化防止のエースとして注目されているバイオ燃料も、原料のトウモロコシなど、食糧価格の高騰に影響し、CO2削減のエースになりきれない。

そんな中、プロラリードライバーとして世界中を走り回り、引退後もラリーチーム総監督、モンテカルロ・スポーツカープロジェクト、エンジン部門担当など長年モータースポーツ人生を歩んだ高岡祥郎さん。今度は超エコロジーな電気自動車の企画制作を・・・


世界中を走ったその距離約800万キロ
高岡祥郎さんは、モータースポーツの世界に入り、長い年月、プロラリードライバーとして世界中を走り回った。

「思い起こせばもう何十年になるだろうか・・・。ロンドンからシドニー3万キロラリー、サファリーラリー、モンテカルロラリー、ヒマラヤンラリー、アセアンラリー、サザンクロスラリー、レプコトライアルラリー2万キロ、ウインズサファリラリーなどなど。1985年の引退までの20数年間、よく大した怪我もせずやってこられたものだ」走ったその距離約800万キロという高岡さん。

当然のことながら高度にチューニングされたエンジンの使うガソリンは有鉛であり、それは地球環境にとって有害そのものであったに違いない。排気音だって半端じゃない。「競技に勝ちたい、時間には追われている・・・こんなエゴで走っていたのだろうと今改めて思う」。

その後もモータースポーツ人生は続き、スバルラリーチームの総監督、次にF-1の総監督、そしてDTM用アルファロメオエンジンのチューニングとメンテナンスなどを担当し、イタリアをベースにモータースポーツ人生を歩んできた。

1983サファリラリー

追い続けたい男のロマン
高岡さんはこれらの経験を活かし、過去に数台の車の企画、開発製作に従事した。「中には大成功の物もあったし、数台しか売れなかった物もあった。ライバルよりも一歩先、いや半歩先が車創りの基本だが、何年か先を見据えて創るわけだから、簡単なことではなかった」と、高岡さん。

1989年にはイタリアのモートリモデルニ社と共同で究極の水平対抗12気筒60バルブエンジンを開発した。このエンジン開発のために「イタリアでは英雄的存在のカルロ・キティ工学博士と、何年か同じ工場の屋根の下で過ごしたことが昨日のように思える」。

また、1991年にモンテカルロでスポーツカーを作るプロジェクトにエンジン担当として参加した。モナコ公国で始めてのナンバーが付く公認の車のため、王室もこのプロジェクトに協力を惜しまなかった。販売価格は何と日本円で8千万円という途方もない値段で、8台が売れたが最終的には生産中止となってしまった。

「もちろん沢山売れるに越したことはないのだが、問題は販売台数ではない。自分たちが創った車にナンバープレートが付けられ、街で最初に見かけた時、胸がジーンとなり目頭が熱くなる。できれば駆け寄って『ありがとう』と言いたい。たったこんなことだが、これだから車創りはやめられない」と、言葉に力がこもる高岡さん。

そして今、環境への配慮など無視をしてきたことへのせめてもの罪滅ぼしと、そしてエコカーの筆頭である電気自動車を普及させるべく、電気自動車プロジェクトに取り組んでいるというわけだ。


イタリアは電気自動車先進国
高岡さんがこの車(電気自動車ジラソーレ)と出会ったのはイタリアのフィレンツェだった。

「フィレンツェの中心街は一般車の乗り入れが時間規制されており、特定の居住者と電気自動車しか乗り入れできないようになっています。音もなくスイスイと走っている2人乗りの電気自動車は、両サイドのドアに”Rent Me”と書かれたレンタカー。早速レンタカー屋に行き、借りて試乗してみると、ずいぶん静かで出足が鋭く、小気味良く走る。『へぇー、こんなのあるんだ』というのが第一印象で、今まで電気自動車とは無縁だった私には、ある意味ショックだった。そこでミラノ郊外にあるメーカーを訪ね、テスト用に1台の購入契約をし、日本に送る手配をしました。これが始まりです」。

イタリアでは、すでに軽量小型の電気自動車が社会に定着し、環境に優しいタウンカーとして、また業務用車両として数多く走っています。ジェノバでは、警察にも採用され、可愛いミニパトカーが市内を軽快に走りぬけています。イタリアは電気自動車先進国であると言っても過言ではありません。

「大きな車はデザインや個性を出すのが比較的易しいのですが、車は小さくなればなるほど、デザインも個性も出すのが難しい。それがデザインの本場イタリアの車を採用した理由の1つです。日本でのテストは都内や山間部など、いろいろなテストを自分自身で行いました」。


ジェノバでは、警察にも採用されたミニパトカー


超エコロジー、実用的、お洒落な電気自動車「ジラソーレ」

ジラソーレのコンセプトは“E-Car”「いい車」。E-はエコロジー、エコノミー、エネルギー、アース(地球)のEです。
ジラソーレはバッテリーに蓄えた電気でモーターを回転させて走るため、自動車からの排出ガスは一切なく、走行騒音もほとんどありません。そして、手軽に家庭用の100V電源コンセントから直接充電できるのです。約6時間の充電で120km走行することができ、夜間電力での電気代は約100円という安さです。さらに、夜間電力の有効活用にも役立っています。

全長約2.3m、重さ420kgとかなり小型ながらも、最高速度は65km/hで、走り始めから40kmに達するまでのスピードは3.1秒と、移動手段としては十分な走行性能を持っています。

ボディにはアルミ合金製スペースフレームを搭載して衝突安全性を確保し、緊急時には電力供給が停止する「不活性安全システム」を導入するなど、安全性をしっかり満たした車です。

駐車スペースは通常の車の半分以下です。狭い住宅街の道も余裕で走行でき、350リッターの大容量トランクでちょっとしたお買い物もまったく問題ありません。

加えてイタリアンデザインのおしゃれで魅力的な外観は、乗る人を楽しませてくれます。ジラソーレは環境に優しいだけでなく、“使える”車なのです。

「日本では2007年8月に販売を開始したばかりで、まだあちこちで目にするほどにはなっていませんが、既にトライアスロン大会の先導車や大きな工場の構内で活躍しています。

今後は、リゾート地における近隣移動手段や観光地のエコレンタカーとして、また、企業の営業車や広告宣伝カーとして、また個人の方にはお買い物や通勤等のタウンカーとしての利用を期待しています。1日も早くこの環境に優しい車「ジラソーレ」がみんなに愛されるエコカーとして街を走るようにしたいと思っています」。


2人乗り電気自動車「ジラソーレ」

写真上/プラグとリチウムイオンバッテリー
写真下/大容量トランク

エコライフ・フェア2007でジラソーレを展示


 高岡祥郎 Profile

1942年横浜市生まれ。1970年富士重工、宣伝部モータースポーツに入社、ラリードライバーとして国内ラリーを総なめにする。
1983年のサファリラリーでは日本人最高位の5位入賞(クラス優勝)を果たす。1993年モンテカルロ・スポーツカープロジェクト、エンジン部門担当。2002年7月、イタリア製電気自動車ジラソーレ輸入販売目的会社、オートイーブィジャパン創業
著書:四輪駆動入門(山海書房)、自然回帰線(講談社)、ウインタードライブ入門(講談社)等






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