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ニューヨーク支局からは、
トレンド情報誌の先がけとなった「PRONTO」や「USフードジャーナル」の編集長を務め、現在は健康食品ビジネスコンサルタント会社を運営し、英文の日本の健康食品市場レポートを発刊しているポール山口がレポートします。
ニューヨーク支局  



電球で地球温暖化が防げるか
 進む温暖化

米国前副大統領、アル・ゴアが出演したドキュメンタリー映画、An Inconvenience Truth (不都合な真実) を見なくとも地球の温暖化が進んでいる兆候は見ることができる。

南極や北極の氷が解け、海水が上昇している事実。スイスアルプスの氷河が解け地肌をむき出し始めている現状。日常生活では、不安定で季節外れの気候、大型台風やハリケーンの発生、大規模洪水、干ばつなども地球温暖化が及ぼしていると考えられる。先日テレビで北極の白熊が氷の少なくなった海面で行き場を失っている画面をみて、唖然とした記憶がある。地球温暖化がこのような環境変化を生んでいる事は間違いないようだ。


地球温暖化を起こす要因に人間が快適に過ごすために吐き出す過剰な、
「CO2」二酸化炭素があげられる。

夜の地球:DMSP衛生からの合成写真 都市部のライトで明るくなっています。提供:NASA
自動車から吐き出されるガス。石油、石炭などをエネルギーとして使い、吐き出される工場からの煤煙、オフィスや家庭からも直接ではないが地球温暖化の一端を担っている。人間が地球から産出する、化石燃料(石油、石炭)の使用を最小限にしない限り、温暖化は今後も進み続ける。

近代工業化が始まる、1800年代には地球上のCO2レベルは280 p.p.m (parts per million)であったものが、今から数年後には倍の560 p.p.mにまで上昇すると専門家は予想している。だが、地球温暖化は人類が始めて経験する事で、CO2の濃度が例えば600 p.p.mになった時に地球の環境がどう変化するのかは想像するだけで、誰も知ることはできない。だが、現状が悪化することは容易に想像できる。そのためにも、環境問題は政府の問題と言い放すのではなく、個々の人々と企業が共同で化石燃料の消費を減らし、地球上のCO2の濃度を抑える努力が必要だ。

 さらば白熱電球

例えば、どこの家庭でも照明として使っている電球。米国では一家庭で平均25個が使用されているという。

それらの電球の多くはトーマス・エジソンが100年以上前に発明した白熱電球だ。そのコンセプトは100年以上たった今もまったく変わらず、電流がタングステンを発熱し光りを発するもの。この電球は、決して効率の良い照明媒体ではない。この過去の遺物的な白熱電球をより効率の良い蛍光灯電球に変えるムーブメントが起きている。
自然光に近いCFL、大きさも白熱電球より小型

蛍光灯と聞くと、商業施設やオフィスなどでの使用が一般的で、家庭内での使用は限られているのが現状。原因は、やはり蛍光灯の光りが自然のそれとは異なり、家庭では敬遠されがちであった。また、白熱電球に変わる小型で、既存の照明器具に取り付けられる製品が開発されていないという不便さ、また高価な点もあり、長いこと家庭には普及しないでいた。

 スパイラルが環境を救う

電球型の蛍光灯が開発されてから、すでに20年は経過しているが、蛍光管がスパイラルで既存の照明器具に取り付けられるほど小型で、より自然の光りに近いコンパクト・フロルセントボルブ(Compact Fluorescent Bulb、略CFL)、(日本でいうスパイラルバルックボルブ)が開発され、これを家庭に普及させ地球温暖化防止に貢献するムーブメントが国、企業そして家庭を通じ進められている。

このコンパクト・フロルセントボルブ(CFL)、白熱電球に比べ、そのエネルギー使用量は1/3程度。CFLの13ワットが白熱電球60ワットに相当する明るさを生み出す。CFL電球の寿命は白熱電球の約10倍。8年間は電球を取り替える必要はない。
1家庭で白熱電球20個をCFL電球に変えた場合、年間2000ポンド(約900kg)のCO2を削減できる。

現在米国に出回っているCFLの数は1億個程度と言われる。これを年間1億個の増加を目標に国と企業が共同でキャンペーンを広げている。年間1億個のCFLを使用することで、30億ドル分の電力削減が可能で、これを自動車の排気ガスの量に換算すると約200万台分に相当する。
ホームセンター最大手The Home DepotのCFL販売プロモーション新聞広告

 1億個の販売を目指すWal-Mart

世界最大の小売業者Wal-Mart (ウォルマート)では、昨年の12月から年間1億個のCFL電球を家庭に普及させるキャンペーンを広げている。

Wal-Martでは通常年間10万個程度のCFLを販売しているが、これを一挙に10倍に拡大するという。同店のフロアーではCFL電球の環境効果、各CFL電球の特色などを掲示したデイスプレーコーナーを設け、訪問客にCLF電球の使用を進めている。

電球の販売量が高い、ホームセンターThe Home Depot とLowe’s。ドラッグストアーのWalgreen’s。ディスカウントストアーのTargetなどの業界大手が揃ってCFL電球の普及を目指しキャンペーンを広げている。

CFL1億個の販売を目指すWal-Mart店内のデイプレー

インタネットではYahooがスポンサーで、
Change a Bulb. Change Everything のサイトをアップ、
全米でCFL電球の販売数を今年に入ってからオンタイムで掲示(現在2500万個)、
それによる経済効果(6.3億ドル)、車の台数に換算すると12万台、CO2効果は何と90億ポンドの削減という数字を掲示してCFL使用による環境効果をPRしている。

CFL電球の販売量と環境への貢献がリアルタイムで見られるサイト

 NY州政府の援助金

ニューヨーク州では、CFL電球を通常小売価格の10パーセントで州住民限り個数限定で販売し、エネルギー消費の削減を呼びかけている。

そのほか州では、熱効率のよい電気製品、暖房、冷房施設には税金の免除、補助金などを出しより熱効率の高い製品への買い替えを援助している。

また、熱効率の高いハイブリッド車には購入時に一台につき3000ドルの援助金を出している。オーストラリアでは2010までに全白熱電球をCFL電球に変える運動が起きているとか。

5年保障8000時間の寿命、26Wで100Wの明るさ。3個入り8ドル

 売上げ低下か環境問題か… スウィッチが必要

このような、地球環境改善に寄与する運動も全企業が賛成しているわけではない。白熱電球の大手メーカー、GEやシルベニア社では、寿命が10倍も長い電球の販売は売上げ低下につながる。さらに蛍光灯には水銀が多少含まれているというのが、彼らのCFL販売に対する反対意見。

エネルギー危機、石油価格高騰が話題になるたびに、省エネへの関心が高まる。だが、危機が過ぎ価格が下がれば、またもとの浪費気分。過去100年間使いなれた安い白熱電球を価格が10倍もするCFL電球に買え変えるにはそれなりの危機感が必要だ。Wal-Martの打ち出した1億個達成が可能かどうかかは、環境問題を経済問題より優先させる頭のスウィッチが必要だ。

 我が家はCFL

最後に、我が家では1月に室内の電球31個を全部CFL電球に切り替えた。投資額108ドル。一ヵ月後の電気使用量の変化155キロワット低下。電気料にすると23ドル。投資回収までに4.5カ月を要する計算。その後は年間276ドルの節約 (電気代がその間値上げしなければの話)。だが、これで年間3100ポンド(1406kg)のCO2を地球上から回避できた計算。悪くない話。
ガソリン代が安いと車を乗り回すのと同様、電気代がかからないだけに、電気をつけっぱなしにしておく習慣に注意が必要。





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