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 レスター・ブラウン氏に学ぶ「地球温暖化防止」

2008年6月6日
「温暖化防止と人類文明の存続」と題した
レスター・ブラウン氏の講演会に行ってきました。

上智大学/上智大学地球環境研究所主催により四谷キャンパスで
開催され、定員800名の講堂が満席でした。

今回の講演は、現在の地球が直面している最も危機的な問題である
「地球温暖化」についてです。
イヤフォンによる同時通訳で、翻訳による時間のロスもなく
たっぷりお話を聴くことができました。

ヒマラヤの氷河融解は食糧問題にも
氷河というと南極やグリーンランドの氷床を思い浮かべるが、アジアでもチベット高原の氷河が溶けている。

地球温暖化によって引き起こされた「チベット高原の氷河の融解」はとても深刻だという。

氷河は、乾期の水の供給源となっているが、氷河の溶ける速度はとても速く、ガンジス川や黄河などでは雨期だけの季節河川となっている。そのため、中国とインドでは厳しい水不足に直面し穀物の収穫高に影響している。

講演会でのレスター・ブラウン氏 

氷河の溶解、海面上昇に深刻な影響

コロラド大学ボールダー校などの国際共同研究グループは2007年、温暖化による海面上昇は、巨大な氷床を載せたグリーンランドや南極よりも、比較的小さな氷河の融解のほうがはるかに大きな影響を持つという研究結果を、米科学誌サイエンス電子版で発表している。

それによると、体積では1%しかない氷河や万年雪の融解が海面上昇に及ぼす影響は60%にもなり、グリーンランドの28%、南極の12%を大きく上回っている。


ヒマラヤの氷河が2035年までに5分の1に

国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は2007年2月、
現在のペースで温暖化が進んだ場合、ヒマラヤ山脈の氷河が2035年までに、1995年時点の5分の1に縮小するという分析をまとめた。

ヒマラヤ氷河の融解によって洪水が増え、水源の崩壊が進むのは「ほぼ確実」としている。


写真は、チベット高原、上が1968年撮影、下が2007年に撮影したもの
エベレストの Rongbuk氷河の後退を示しています。Photo:AFP通信社

地下水位の低下

また、サウジアラビアでは、1970年まで食糧をすべて輸入で賄っていたが、井戸を掘り、自国で作物をつくるようになって、それから30年、2008年1月にその井戸が枯渇した。
同じように世界中の地下水位は低下しており、中国(北部)で顕著である。

つまり、「地球温暖化 → 水不足 → 食糧不足」ということにもなる。
インドと中国は干ばつによる水不足  

そして2005年11月の「レスター・ブラウン氏の講演」を思い出す。

「石油価格が上昇すると、石油に代わるものとして、アルコール燃料の需要が増え、トウモロコシやパーム油の農産物がその原料に使われ、貧しい国の人々は価格の高騰の影響をうけ食糧不足になる」と語っていたが、あれから2年半で、それが現実となってしまっている。

その頃は、世間ではバイオエタノールが温暖化の救世主のようなイメージであったが、今現在、私たち日本人の食卓も直撃している。


CO2排出削減には、まず電球形蛍光灯、再生エネルギーの使用
レスター・ブラウン氏によると
CO2排出量を2020年までに(一般に2050年を目標としているが)80%カットする必要があるという。
それにはエネルギー効率を上げることで

まず、照明を白熱電球から電球形蛍光灯などに取り替えると12%省エネでき、世界的に実施されれば30%もCO2排出を削減できるという。誰にでも一番簡単にできることで、かなり大きな削減策です。
電球形蛍光灯の詳細はこちらを

また、アメリカの車は、全世界の28%。
米国の車がすべてプリウスのようなハイブリッド車になればエネルギーの消費は半減し、さらにプラグイン・ハイブリッド車になれば、エンジンと電池の両方を搭載しているので、風力で発電した電力を搭載している電池に充電すればよい。

そして風力発電は、安価で無尽蔵で気候に影響がない。

テキサス州は、20世紀は「石油の州」でしたが、現在は、風力をリードする州になり、カリフォルニア州を抜いて、アメリカで「風力No.1の州」になり、2,300メガワット可能になった。

テキサスのエネルギー業界屈指のやり手ともいわれる石油王のT.Boone Pickens氏が、世界最大の風力発電所の建設に投資している。アメリカでは、グリーンな“風”が吹いているようです。



地熱発電に期待を
レスター・ブラウン氏は、「日本はなぜ地熱を使わないのか?」とも言っています。日本には1万カ所も温泉があり、「プランB」のエネルギーであり、日本の必要量の半分賄えるという。

アイスランドは以前は石炭でしたが、今では電力発電の99%を水力と地熱で賄っています。
アイスランドは地熱活動が活発で、地熱をエネルギー源として世界で最も活用している天然エネルギー源利用の最先端国です。

電力エネルギーに限れば15%前後が地熱発電によるもので、特にクラプラ(Krafla)のものは世界最新の地熱エネルギー・パワーステーションです。こうしたパワーステーションは電気を産出するだけではなく、一方では熱水を産み出し極北の生活には欠かせない暖房システムを賄っています。
アイスランドの噴気孔 Phote:(c)NASA

フィリピンでも22%地熱、エルサルバドルも30%地熱電力だといいます。地熱発電の詳細はこちら

日本の地熱発電の総容量はおよそ561メガワット、これは世界で5位にあたる。火山も多く、地熱開発の技術水準も高い日本で地熱発電がそれほど盛んでないのは、候補地となりうる場所の多くが国立公園や国定公園に指定されていたり、温泉観光地となっていたりするため、景観を損なう発電所建設に理解を得にくいことも一因となっているという。
しかし、地熱発電は石油などの化石燃料を使わないクリーンエネルギーであり、石油に匹敵する貴重なエネルギーを国産で採掘できることから、石油価格が値上がりしている現在、見直しが進められている。



ライフスタイルもLOHASなレスター・ブラウン氏

そして、最後の花束贈呈のとき、足下のスニーカーを見て、2年前の講演会でのことを思い出した。

会場からの質問に応え、その時レスター・ブラウン氏は、

「現在ワシントンDCで1ベッドルームのアパート暮らし、車は持たず、自転車が1台、仕事には歩いて通っている。おかげで、それが運動になり、同年代の人より体力的に若い」
と語っていた。


レスター・ブラウン氏著書(最新版)

プラン B 3.0
〜人類文明を救うために〜

レスター・ブラウン氏は従来に変わる
新しい選択「プランB」を提唱する。
スニーカー姿のレスター・ブラウン氏







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